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その人は、ダックスドウ1匹、トイプードルを2匹飼っています。
たまの休日は、3匹を入れた重い袋を肩から斜めがけにして、まるでカンガルーの様な格好で出掛けます。実際、街の中で3匹を下げて歩くのは不都合でかつ腰にもかなりの負担になります。それでも、可能な限り3匹を一緒に居る時間を持とうと心がけるのです。
その人の職業は外科医です。
数年前に「緩和医療」に2年間勤務していました。緩和という場所は、一般病院の様に治療を受けた患者が良くなり退院する場所でも、また天命を知り受け入れる患者が穏やかに逝くのを援助する場所でもなく、治る見込みがないとされた病人に対して、最後までありとあらゆる痛みをともなう治療を試みる場所なのだそうです。いかに患者本人おびその家族が望むとはいえ、治ることが叶わないとわかる病人に、ただ必要以上の苦痛を与えているだけに思える自分に、医者としての矛盾と憤りを感じ、時に罪悪感を覚え、自らが崩壊寸前の状態まで追い込まれた日々だったと言います。
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