ひとと動物のかかわり研究会・お知らせ
 ひとと動物のかかわり研究会は、研究・人材育成・シンポジウム等、年間を通して様々な活動を行っています。



 

社会における動物を考える
〜過去、そして現代の動物福祉について〜

講師紹介
William Ellery Samuels, Ph.D.
Director of Assessment
College of Staten Island City University of New York
Room 3S-209 2800 Victory Boulevard Staten Island, New York 10314
e-mail:samuels@mail.csi.cuny.edu  http://wesamuels.net
President Elect, Director of Research and Evaluation
People, Animals, Nature, Inc. Naperville, Illinois.
https://www.pan-inc.org

サミュエル博士は、アニマルセラピーの分野では先駆者であるDr. Debbie Coultisが主宰する団体People Animals Nature, Inc.の教育部門のディレクターです。博士の研究フィールドは、米国に限らずフランス、日本を含む東南アジアと国際的な経験を積まれてきました。そのような経験を基に、動物を介在・介入させた分野(Animal-assisted Interventions)及びヒューメイン・エデュケーション(Humane Education)のプログラムの開発と評価をなされてきました。現在は、ヒューメイン・エデュケーション、動物虐待防止教育、咬傷事故防止教育の指導者および動物福祉に関する研究者として数々のカンファレンスに招かれ、講演者として活躍されています。
日本のテレビでも欧米のシェルター(保護施設)やアニマルポリス(動物虐待取締官)が紹介されたので、ニューヨークの動物虐待防止協会(ASPCA, NY)をご存じの方も多いのではないでしょうか。博士は、ニューヨーク動物虐待防止協会でヒューメイン・エデュケーションのディレクターを4年務めたこともあります。
サミュエル博士の研究テーマである「ヒューメイン・エデュケーション」は、多くの皆様にとって聞き慣れない言葉だと思います。私も、十数年前にサンフランシスコ動物虐待防止協会を訪問した際に、A Humane Education Curriculum for Preschool through Eight Grade: The San Francisco SPCA's ANIMAL AWARENESS CLUB という本を目にして、初めてヒューメイン・エデュケーションなるものを知りました。米国の教育法(州法)の中で、「ペットに優しく接し、命ある生きものを慈悲深くあつかう」ことを教えるのは教師の義務であると謳っています。John Locke(1632−1704)が「生きものに苦痛を与えたり、殺したりすることを喜ぶ者は、自分の仲間にも慈悲深く、恵み深くしないだろう。子ども達は生きているものを殺したり、苦しめたりすることに嫌悪感を示すように育てられるべきである」と述べていることに集約されるように、「Humane Education」は「動物愛護教育」を強調するものであるといえでしょう。
国内においては、平成18年には動物の愛護と管理に関する法律が施行され、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準や動物の殺処分方法に関する指針等が示され、市民の「動物福祉」に対する気運も高まりを見せつつあるように思われます。しかし、捨て猫捨て犬は減少傾向を見せてもゼロにはほど遠く、動物の愛護と管理に関する法律が遵守されない状況にあることも事実です。家庭で飼われる犬たちは、家族の一員として健康を気遣いその寿命を全うする傍ら、余命を残して殺処分される犬との違いはどこにあるのでしょうか。家畜の牛や豚、鶏に至っては、本来の寿命を全うしているでしょうか。寿命すらわからないのが、現状かも知れません。ヒトとイヌ、ウシやブタ、ニワトリ‥・・命にどう違いがあるのでしょうか。とてつもなく深くて重い問題ですが、とても大切なことだと思います。サミュエル博士は、アメリカの歴史と文化を背景に、動物福祉のあり方の示してくださいました。「人と動物のよりよい共存社会の実現」に向けて、私たちにできることは何か、日本でも法整備を含めて、課題が明らかになった講演会でした。
  
 
  
 
 
 
 
 
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